座椅子
2010年 12月 11日
肘掛が肥松、座面と背が老齢杉、骨格が桧、です。
寸法は内法で、幅60cm、奥行60cmです。高さは55cmくらいで、背板の配置はお客さんの背中に合わせています。作る前にはもちろん採寸が必要です。お客さんのご自宅にお伺いし、ご自身が座ったときの背中の具合に合わせて背板を配置します。それようの採寸道具を用意して臨みます。
肘掛は立ち上がるときに「よっこいしょ」と手をかけるのに必要です。ここで、肘掛の材はお客さん支給の肥松が登場しています。これからずっといつも手に触れてだんだんと艶やかになっていくと思います。
座面は老齢杉の源平接ぎです。若い杉の白太は使えませんが、年輪の密な歳のいった杉の白太はしっかりしており適材です。杉は適度な柔らかさがありますので座布団は要りません。特に、夏の暑いときは涼しい無垢の木が心地よいと思います。
このごろ、パインを使わなくなり、杉を使っています。杉は良いです。味があります。パインは材木って感じですが、杉は「木」という感触です。パインを使わなくなったのは質が悪くなってきて、おまけに調達が不安定になってきたからです。パインもいい木なのですが、だんだん材木っぽいのが多くなってきていました。